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2017年1月22日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2016年10月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題51~問題60(相続・事業承継)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 51 贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『個人が法人からの贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象』となりません。
2. 適切です。 『扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。』
3. 適切です。 『離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。』
4. 適切です。 『死因贈与により取得した財産は、遺贈により取得した財産として相続税の課税対象となり、贈与税の課税対象とならない。』
問題 52 贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『子が同一の年において父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、暦年課税における贈与税の基礎控除額は、最高で』110万円です。
2. 不適切です。 『暦年課税における贈与税額は、贈与税の課税価格から基礎控除額等を控除した残額に』応じた税率を乗じて計算します。
3. 適切です。 『配偶者から贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高で2,000万円を控除することができる。』
4. 不適切です。 『相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産に係る贈与税額の計算上認められる特別控除額は、最高で』2,500万円てす。
問題 53 贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『前年以前の年において、すでに配偶者から贈与について本控除の適用を受けている場合、同じ配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。』
2. 適切です。 『本控除の適用を受け、その贈与後3年以内に贈与者が死亡して相続が開始し、受贈者がその相続により財産を取得した場合であっても、本控除に係る控除額相当額は、受贈者の相続税の課税価格に加算されない。』
3. 適切です。 『受贈者が本控除の適用を受けるためには、贈与時点において贈与者との婚姻期間が20年以上であることが必要とされている。』
4. 不適切です。 『本控除の対象となる財産については』、居住用不動産やその敷地、または居住用不動産の購入資金です。
問題 54 下記<Aさんの親族関係図>に基づく被相続人Aさんに係る相続税法上の法定相続人として、最も適切なものはどれか。なお、Fさんは、BさんおよびCさんの普通養子(特別養子縁組以外の縁組による養子)である。
※<Aさんの親族関係図>は試験問題をご覧ください。
1. 不適切です。 『Eさん、FさんおよびHさん』
2. 不適切です。 『EさんおよびHさん』
3. 適切です。 『EさんおよびFさん』
被相続人Aさんには、配偶者がなく、第1順位の子もなく、第2順位の父母はすでに死亡、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹の場合、代襲相続はその者の子までです。配偶者に代襲相続はありません。
4. 不適切です。 『Eさん』
問題 55 民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することができる。』
2. 適切です。 『相続人が配偶者および直系尊属である場合、配偶者の法定相続分は3分の2、直系尊属の法定相続分は3分の1である。』
3. 適切です。 『相続人が配偶者および兄弟姉妹である場合、配偶者の法定相続分は4分の3、兄弟姉妹の法定相続分は4分の1である。』
4. 不適切です。 『代襲相続人の法定相続分は、被代襲者が受けるべきであった法定相続分』と同じ相続分になります。
問題 56 相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。』
2. 不適切です。 『被相続人が自動車事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、被相続人の遺族である相続人が受け取った対人賠償保険金』は、相続財産とみなされず、相続税の課税対象となりません。
3. 適切です。 『相続または遺贈により財産を取得しなかった被相続人の母が、その相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。』
4. 適切です。 『被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。』
問題 57 Aさんの死亡に伴い、Aさんが契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険契約に基づき、妻が1,200万円、長女が300万円の死亡保険金を受け取った。法定相続人は、妻および長女の2人で、上記以外に死亡保険金を受け取った者はいない。また、長女は相続の放棄をしている。この場合、妻と長女が受け取った死亡保険金の金額のうち、相続税における生命保険金等の非課税規定(相続税法第12条の「相続税の非課税財産」の規定)の適用を受けた場合の各人の非課税金額として、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『妻1,000万円 長女200万円』
2. 適切です。 『妻1,000万円 長女は適用なし』
死亡保険金の非課税限度額は、500万円×法定相続人の数で、相続放棄した者も含めますが、相続放棄した者に非課税金額の適用はありません。
3. 不適切です。 『妻 800万円 長女200万円』
4. 不適切です。 『妻 800万円 長女は適用なし』
問題 58 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- ・ 被相続人の貸付事業の用に供されていた貸付事業用宅地等について、本特例の適用を受ける場合、適用対象となる宅地等の面積は最大で( ア )であり、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額される割合は( イ )である。
- ・ 被相続人の貸付事業以外の事業の用に供されていた特定事業用宅地等について、本特例の適用を受ける場合、適用対象となる宅地等の面積は最大で( ウ )であり、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額される割合は( エ )である。
1. 適切です。 『(ア)200m2 (イ)50% (ウ)400m2 (エ)80%』
2. 不適切です。 『(ア)400m2 (イ)80% (ウ)200m2 (エ)50%』
3. 不適切です。 『(ア)200m2 (イ)80% (ウ)400m2 (エ)50%』
4. 不適切です。 『(ア)400m2 (イ)50% (ウ)200m2 (エ)80%』
問題 59 非上場企業の事業承継における一般的な課題や対応策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『事業承継を円滑に進めるためには、適切な後継者を決定し、将来の経営者としての十分な育成を図ることが望ましい。』
2. 適切です。 『オーナー経営者が保有している自社株式を役員である後継者に取得させる場合、後継者にとってその取得資金の負担が大きいときには、あらかじめ後継者の役員報酬を増加させるなどの対策を講じることが考えられる。』
3. 不適切です。 『自社株の評価額を引き下げるためには、積極的な費用計上を行って利益を圧縮することや、新規取引先に対する金銭債権のうち回収可能性が』ない『ものについても債権放棄により貸倒損失を計上することなどが望ましい。』
4. 適切です。 『オーナー経営者が土地などの多額の個人資産を自らが経営する法人の事業の用に供している場合、オーナー経営者が死亡し、その子が後継者となり事業関連資産を相続するとき、後継者以外の推定相続人の遺留分の侵害の問題が生じるおそれがある。』
問題 60 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『本特例の適用を受けるためには、原則として、遺留分を有する推定相続人および後継者全員の書面による合意が必要である。』
2. 適切です。 『本特例の適用を受けるためには、合意について経済産業大臣の確認を受けた日から一定期間内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を得ることが必要である。』
3. 適切です。 『除外合意とは、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した所定の株式等について、その価額を遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入しない旨の合意をいう。』
4. 不適切です。 『固定合意とは、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した所定の株式等について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入すべき価額を』合意『時点における価額とする旨の合意をいう。』