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2017年1月22日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2016年10月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題21~問題30(金融資産運用)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 21 経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で、総務省が作成・公表している。』
2. 適切です。 『マネーストック統計は、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表している。』
3. 適切です。 『国際収支統計は、一定の期間における居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引を体系的に記録した統計で、財務省と日本銀行が共同で公表している。』
4. 不適切です。 『前月から繰り越された有効求人数と当月の新規求人数の合計数である「月間有効求人数」』を『有効求人倍率は、前月から繰り越された有効求職者数と当月の新規求職申込件数の合計数である「月間有効求職者数」』で『除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。』
問題 22 一般的な公募投資信託の費用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『証券会社経由で株式投資信託を購入する場合、原則として購入時手数料を支払うことになるが、銀行等の預貯金を取り扱う金融機関経由であれば、その手数料は無料である』ということはありません。販売手数料は、販売会社がそれぞれ上限以内で設定できます。販売手数料のないノーロードファンドもあります。
2. 不適切です。 『運用管理費用(信託報酬)は、受託会社(信託銀行)と投資信託委託会社に対する報酬であり、証券会社や銀行等の販売会社には』、委託者報酬から代行手数料が支払われます。
3. 適切です。 『会計監査に必要な費用(監査報酬)や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、受益者(投資家)の負担となる。』
4. 不適切です。 『信託財産留保額が設定されている投資信託では』、解約に際しては、信託財産留保額が差し引かれます。
問題 23 債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 適切です。 『一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する。』
2. 不適切です。 『利率と償還日が同じであれば、信用度が高い(債務不履行リスクが低い)債券の方が最終利回り』は低くなります。
3. 不適切です。 『償還日前に売却した場合には、売却価格が額面価格を下回ることはない』ということはありません。
4. 不適切です。 『国債や普通社債が流通市場で取引される額は、店頭取引よりも取引所取引の方が』少なく、ほとんどか店頭取引です。
問題 24 株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『委託保証金は、現金以外に有価証券でも代用することができるため、信用取引口座を開設している証券会社に管理を委託している現物の上場株式等を活用して取引することができる。』
2. 適切です。 『委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは、約定金額100万円まで新規建てすることができる。』
3. 不適切です。 『信用取引を開始した後に相場が変動』した場合、『追加で保証金を請求されること』があり、『損失は当初の委託保証金の範囲を』越えることがあります。
4. 適切です。 『信用取引では、「買い」から取引を開始することも、「売り」から取引を開始することもできる。』
問題 25 下記<X社のデータ>に基づき算出されるX社の株式指標に関する次の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。
<X社のデータ>
株価 2,000円 1株当たり配当金(年額) 80円 1株当たり当期純利益 200円 1株当たり純資産 800円
1. 適切です。 『PBR(株価純資産倍率)は、2.5倍である。』
PBR (倍) |
= | 株価 |
1株当たり純資産(株主資本) |
2. 適切です。 『PER(株価収益率)は、10倍である。』
PER (倍) |
= | 株価 |
1株当たり純利益 |
3. 適切です。 『ROE(自己資本利益率)は、25%である。』
ROE (%) |
= | 当期純利益 | × | 100 |
株主資本 (自己資本) |
4. 不適切です。 『配当利回り』は、4%です。
配当利回り (%) |
= | 1株あたり配当金 | × | 100 |
株価 |
問題 26 個人が国内の金融機関を通じて行う外貨建て債券ファンドの取引に関する次の記述の空欄(ア)~ (ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 米ドル建て債券ファンド(為替ヘッジなし)を保有しているとき、米ドルに対する円の為替レートが円安に変動することは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( ア )要因となる。反対に、為替レートが円高に変動したときは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( イ )要因となる。このため、( ウ )局面では、為替レートの変動による損失が債券運用による収益を上回ると、円換算の投資利回りはマイナスになる。
1. 不適切です。 『(ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円安』
2. 適切です。 『(ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円高』
3. 不適切です。 『(ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円高』
4. 不適切です。 『(ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円安』
問題 27 ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は』ありません。相関係数がー1に近いほど分散投資の効果(リスクの低減)は高くなります。
2. 適切です。 『A資産の期待収益率が2.5%、B資産の期待収益率が6.0%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は4.6%となる。』
3. 適切です。 『シャープレシオは、ポートフォリオ全体の収益率から無リスク資産収益率を減じたものを、ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)で除すことにより求められる。』
4. 適切です。 『システマティック・リスクは、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても低減しない。』
問題 28 NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
1. 不適切です。 『NISA口座で保有することができる上場株式等には、上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)』も含まれます。
2. 不適切です。 『NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失は、特定口座で保有する上場株式等の配当と損益通算をすること』ができません。
3. 不適切です。 『NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失』は、翌年以降繰り越すことができません。
4. 適切です。 『NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税にするためには、株式数比例配分方式を選択しなければならない。』
問題 29 株式市場において、どのような投資家がどの程度売買しているのかを示す下記<資料>から読み取る ことができる内容に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も 適切なものはどれか。
<資料>出所:東京証券取引所「投資部門別 株式売買状況 東証市場第一部[金額]委託内訳」をもとに作成
2012
年2013
年2014
年2015
年- 個人 個人 個人 個人 売り 48.5
兆円149.5
兆円102.4
兆円115.2
兆円買い 46.6
兆円141.0
兆円98.6
兆円110.2
兆円- 海外投資家 海外投資家 海外投資家 海外投資家 売り 158.6
兆円317.3
兆円327.0
兆円410.1
兆円買い 161.3
兆円332.0
兆円328.0
兆円409.8
兆円- 法人 法人 法人 法人 売り 24.4
兆円41.2
兆円37.7
兆円44.3
兆円買い 23.4
兆円36.5
兆円40.6
兆円48.7
兆円- 証券会社 証券会社 証券会社 証券会社 売り 4.6
兆円12.7
兆円6.9
兆円6.9
兆円買い 4.5
兆円12.2
兆円6.5
兆円6.6
兆円
- 2012年、2013年、2014年をみると、個人は( ア )、海外投資家は( イ )ており、アベノミクス相場の渦中で、個人と海外投資家が( ウ )投資行動をとっていたことを読み取ることができる。また、2015年をみると、海外投資家が( ア )ており、海外投資家の売りと買いの合計で全体の約( エ )を占めていることが分かる。
1. 不適切です。 『(ア)売り越し (イ)買い越し (ウ)一致する (エ)7割』
2. 適切です。 『(ア)売り越し (イ)買い越し (ウ)相反する (エ)7割』
3. 不適切です。 『(ア)買い越し (イ)売り越し (ウ)相反する (エ)5割』
4. 不適切です。 『(ア)買い越し (イ)売り越し (ウ)一致する (エ)5割』
問題 30 金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。
1. 適切です。 『金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。』
2. 適切です。 『犯罪収益移転防止法では、顧客等が代理人を通じて所定の取引をする場合、銀行等の特定事業者は、顧客等および代理人双方の本人特定事項の確認を行わなければならないとされている。』
3. 不適切です。 『消費者契約法では、事業者の不当な勧誘等により消費者契約の締結に至った場合、消費者は同法に基づく』契約の取消しができるとされています。なお、金融商品販売法によれば、損害賠償請求が可能です。
4. 適切です。 『金融商品販売法では、金融商品販売業者等が顧客に金融商品を販売するための勧誘をするときには、原則として、あらかじめ勧誘方針を定めて公表しなければならないとされている。』