ファイナンス、情報通信技術のスキル・アグリゲーション・サイト
2016年9月11日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2016年4月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題51~問題60(相続・事業承継)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 51 民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『贈与は、書面によるもの』であれば、その履行がなされていない場合でも、原則として撤回することができなません。
2. 適切です。 『贈与は、書面によらないものであっても、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。』
3. 適切です。 『負担付贈与では、贈与者がその負担の限度において売買契約の売主と同様の担保責任を負う。』
4. 適切です。 『負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができる。』
問題 52 下記生命保険契約A~Cにおいて、被保険者である父の死亡により、子が受け取った死亡保険金(一時金)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
契約者
(=保険料負担者)被保険者 保険金受取人 生命保険契約A 父 父 子 生命保険契約B 子 父 子 生命保険契約C 母 父 子
1. 不適切です。 『生命保険契約Aに基づき子が受け取った死亡保険金は、』相続税『の課税対象となる。』
2. 不適切です。 『生命保険契約Bに基づき子が受け取った死亡保険金は、』所得税『の課税対象となる。』
3. 適切です。 『生命保険契約Cに基づき子が受け取った死亡保険金は、贈与税の課税対象となる。』
4. 不適切です。 『生命保険契約A、BおよびCに基づき子が受け取った死亡保険金は、』生命保険契約Cについて贈与税の課税対象となります。
問題 53 贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『 贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、暦年課税の適用を受けている受贈者がその年に贈与税の申告で課税価格から控除することができる金額は、基礎控除額』110万円のほかに最高2,000万円です。
2. 適切です。 『父からの贈与に相続時精算課税制度を選択している者であっても、母からの贈与(これまでに贈与を受けたことはない)については、暦年課税の適用を受けて贈与税の申告をすることができる。』
3. 不適切です。 『父からの贈与に相続時精算課税制度を選択している者は、父からの住宅取得資金の贈与について「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けること』ができます。
4. 不適切です。 『父からの住宅取得資金の贈与について「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた者は、父からの子育て資金の贈与について「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を併用して受けること』ができます。
問題 54 法定相続人および法定相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の』2分の1となります。
2. 不適切です。 『被相続人の嫡出でない子の相続分は、嫡出子の相続分』と同等です。
3. 不適切です。 『被相続人の子Aさんが相続の放棄をした場合、Aさんの子Bさんが代襲して相続人となる』ことはできません。
4. 適切です。 『被相続人の弟Cさんが被相続人の推定相続人であった場合、Cさんが被相続人の相続開始以前に死亡したときには、Cさんの子Dさんが代襲して相続人となる。』
問題 55 民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『自筆証書によって遺言をするには、遺言者による遺言書の全文、日付および氏名の自書ならびに押印が必要である。』
2. 不適切です。 『公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要であり、推定相続人は、その証人になること』はできません。
3. 適切です。 『遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、遺言の全部または一部を撤回することができる。』
4. 適切です。 『遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合であっても、その遺言が無効となるわけではない。』
問題 56 相続税の計算における税額控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『平成28年中に開始する相続では、遺産に係る基礎控除額は、』「3,000万円+600万円×法定相続人の数」『の算式によって計算される。』
2. 不適切です。 『すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者』となりません。
3. 適切です。 『被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。』
4. 不適切です。 『「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けるためには、相続が開始した日において被相続人との婚姻期間』に関われず適用があります。
問題 57 宅地および宅地の上に存する権利(定期借地権等を除く)の相続税評価額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、評価の対象となる宅地は、借地権の取引慣行のある地域にあるものとする。
1. 不適切です。 『アスファルト舗装した青空貸駐車場の用に供している土地の価額は、』自用地『としての価額により評価する。』
2. 適切です。 『借地権の価額は、「自用地評価額×借地権割合」の算式により計算した金額により評価する。』
3. 不適切です。 『貸宅地の価額は、』「自用地評価額×(1-借地権割合)」『の算式により計算した金額により評価する。』
4. 不適切です。 『貸家建付借地権の価額は、』「(自用地評価額×借地権割合)ー(自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」『の算式により計算した金額により評価する。』
問題 58 Aさんは、下記の甲宅地および甲宅地上の家屋(自宅)を所有していたが、Aさんの死亡により配偶者のBさんが甲宅地および自宅を相続により取得した。Aさんの相続に係る相続税の計算上、「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例」(以下「本特例」という)の適用を受けた場合の甲宅地の相続税の課税価格に算入する金額として、最も適切なものはどれか。なお、その金額が最も少なくなるように計算すること。
<甲宅地の概要>
- 面積:350m2
- 自用地評価額:70,000千円
4. 適切です。
70,000 千円 | - | 70,000 千円 | × | 330 m2 | × | 80 % | = | 17,200 千円 |
350 m2 |
問題 59 遺産の分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『遺言による相続分の指定がない場合、法定相続分に従って、遺産の分割をしなければならない』ということはなく、相続人全員で遺産分割協議を行い、法定相続分に従わないで遺産の分割をすることもできます。
2. 適切です。 『被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした相続人について認められる寄与分の額は、原則として共同相続人の協議によって定めるが、協議が調わないときは、寄与をした者の請求により家庭裁判所が寄与分を定める。』
3. 不適切です。 『代償分割において、共同相続人のうち、特定の者が被相続人の相続財産を取得し、その者が他の相続人や受贈者に代償として交付する資産は、その者の固有財産のうち現金』に限られません。
4. 不適切です。 『換価分割において、共同相続人が相続によって取得した財産の全部または一部を換価し、その換価代金を分割した場合、各相続人が取得した換価代金は、所得税において』課税所得『とされている。』
問題 60 平成28年中に開始する相続に係る相続税および平成28年中の贈与に係る贈与税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『課税遺産総額に法定相続人の法定相続分を乗じた金額が6億円を超える場合、その超える部分についての相続税の税率は55%である。』
2. 不適切です。 『父からの贈与により取得した財産について暦年課税の適用を受け、受贈財産がそれのみの場合、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上である受贈者の贈与税の額は、』特例税率(特例贈与財産に適用される税率)『を適用して計算する。』
3. 適切です。 『相続人が障害者の場合には、障害者控除としてその障害者が85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)で計算した額がその障害者の相続税額から差し引かれる。』
4. 適切です。 『「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」における非課税拠出額の限度額は、受贈者1人につき1,500万円である。』