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2016年9月11日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2016年4月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題11~問題20(リスク管理)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 11 保険法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『保険契約者または被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険会社から告知を求められた事項以外に保険事故の発生の可能性に関する重要な事項があれば、その者が自発的に判断して事実の告知をしなければならない。』ということが、保険法ではなくなりました。告知義務は、過去の傷病歴、現在の健康状態、職業等、告知を求められた事項について、事実を正確に告知しなければなりません。
2. 不適切です。 『保険契約者が民法所定の方式に従った遺言により死亡保険金受取人の変更をしていた』場合、保険法では、その遺言によって保険金受取人を変更できます。
3. 不適切です。 『被保険者と保険契約者が異なる傷害疾病定額保険契約は、給付事由が傷害疾病による死亡のみである場合』、保険法では、当該被保険者の同意が必要です。
4. 適切です。 『保険法における告知制度や保険金の支払時期等に関する規定よりも保険契約者等(保険契約者、被保険者、保険金受取人)に不利な内容の約款の定めは、海上保険契約等適用除外となる保険契約を除き、無効とされる。』
問題 12 生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『低解約返戻金型終身保険を保険料払込終了後に解約した場合、低解約返戻金型ではない他の契約条件が同じ通常の終身保険』と同じ返戻率の解約返戻金額となります。なお、保険料払込中に解約した場合は、低い解約返戻金額となります。
2. 適切です。 『養老保険の被保険者が保険期間満了まで生存した場合、死亡・高度障害保険金と同額の満期保険金が支払われる。』
3. 不適切です。 『生存給付金付定期保険の被保険者が死亡した場合、保険金額からすでに支払われた生存給付金』があっても、死亡保険金からその支払われた生存給付金の金額が差し引かれることはありません。
4. 不適切です。 『収入保障保険の被保険者が死亡した場合、死亡保険金の支払いは年金形式』のほか、一括支払いを選択できるものもあります。
問題 13 個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 適切です。 『変額個人年金保険では、積立金の運用成果によって将来の年金額や解約返戻金などが変動する。』
2. 不適切です。 『変額個人年金保険では、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金の額は、既払込保険料相当額となっている。』ものもありますが、運用成果に応じて増減した金額になるものもあります。
3. 不適切です。 『個人年金保険(確定年金)では、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合』、既払込保険料相当額が死亡給付金として支払われます。
4. 不適切です。 『外貨建て個人年金保険では、円換算特約を付加した場合、受け取る年金額』は円で受取る際に為替の変動による影響を受けます。
問題 14 個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)および年金受取人は個人であるものとする。
1. 適切です。 『死亡保険金受取人が契約者(=保険料負担者)の配偶者または所定のその他の親族である終身保険契約は、一般の生命保険料控除の対象となる。』
2. 適切です。 『少額短期保険業者と締結した保険契約は、生命保険料控除の対象とならない。』
3. 適切です。 『個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険契約は、保険料払込期間が10年以上であること等の条件をすべて満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。』
4. 不適切です。 『所得税における介護医療保険料控除の控除限度額』は、4万円となります。
問題 15 契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
- 養老保険において、被保険者が役員・従業員、死亡保険金受取人が( ア )、満期保険金受取人が法人の場合、支払保険料の全額が資産に計上され、最終的に保険金や解約返戻金を受け取るまで、資産として積み立てられる。
- 定期保険(無配当保険)において、被保険者がすべての役員・従業員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族の場合、支払保険料は( イ )として損金に算入することができる。保険金が支払われたときは経理処理を要しない。
1. 適切です。 『(ア)法人 (イ)福利厚生費』
問題 16 住宅建物および家財を対象とする火災保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『自宅の火災により、車庫内に停めてあった自動車が損害を被った場合は、補償の対象とならない。』
2. 適切です。 『隣家の火災のための消火活動による水濡れにより、住宅建物が損害を被った場合は、補償の対象となる。』
3. 不適切です。 『ガス爆発により、住宅建物が損害を被った場合』は、補償の対象となります。
4. 適切です。 『落雷により、住宅建物内にあるテレビが損害を被った場合は、補償の対象となる。』
問題 17 傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は付帯していないものとする。
1. 適切です。 『国内旅行傷害保険では、地震、噴火またはこれらによる津波を原因とするケガは補償の対象とならない。』
2. 適切です。 『海外旅行(傷害)保険では、海外旅行の行程中であれば日本国内で起きた事故によるケガであっても補償の対象となる。』
3. 適切です。 『普通傷害保険では、就業中に発生した事故によるケガは補償の対象となる。』
4. 不適切です。 『家族傷害保険』は、保険契約締結後の事故発生時点における所定の範囲の親族が被保険者であり、『保険契約締結後に誕生した子』も被保険者となります。
問題 18 法人が契約者(=保険料負担者)である損害保険契約に係る経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『すべての従業員を被保険者とする普通傷害保険の月払保険料は、支払った保険料の全額を損金に算入する。』
2. 不適切です。 『業務中の事故で従業員が死亡し、普通傷害保険の死亡保険金を従業員の遺族が保険会社から受け取った場合』、その死亡保険金はその従業員の相続人の相続税の対象となります。この場合の死亡保険金については法人に経理処理はありません。
3. 適切です。 『積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。』
4. 適切です。 『法人が所有する業務用自動車が事故で全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険金で同一年度内に代替の車両を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。』
問題 19 第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『特定(三大)疾病保障定期保険では、特定疾病保険金』が支払われると、保険契約は消滅します。
2. 適切です。 『医療保険では、正常分娩による入院については、入院給付金の支払い対象とならない。』
3. 適切です。 『先進医療特約では、支払い対象となる先進医療は、療養を受けた時点において厚生労働大臣が承認しているものとされている。』
4. 適切です。 『所得補償保険では、ケガや病気によって就業不能となった場合、入院中だけでなく医師の指示による自宅療養中も補償の対象となる。』
問題 20 損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『店舗建物とその中に収容している商品が火災で焼失した場合に備えて、火災保険を契約した。』
2. 適切です。 『調理販売した弁当が原因で食中毒が発生した場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。』
3. 適切です。 『従業員が業務中の事故でケガをした場合に備えて労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。』
4. 不適切です。 『設備工事業を営む企業が、従業員がマンションの外壁の工事中に誤って工具を落として通行中の歩行者にケガを負わせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険』では、備える損害に該当していません。