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2015年9月13日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2015年4月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題41~問題50(不動産)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 41 不動産の登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『抵当権に関する登記事項は、登記記録の権利部乙区に記録される。』
2. 適切です。 『分譲マンションの登記記録の専有部分の床面積は、壁芯面積ではなく、内法面積で表示されている。』
3. 不適切です。 『建物の登記記録に記録されている家屋番号は、市町村が定める住居表示の住居番号』とは通常一致しません。
4. 適切です。 『土地の登記記録の権利関係が真実であると信じて取引した場合であっても、当該土地に対する権利が保護されるとは限らない。』
問題 42 民法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1. 不適切です。 『未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに不動産の売買契約を締結した場合』、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができます。
2. 適切です。 『買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手するまでは、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を償還して、当該売買契約を解除することができる。』
3. 適切です。 『売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により当該売買契約に定められている債務の履行が不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく当該売買契約を解除することができる。』
4. 適切です。 『売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して契約を解除する場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内に当該権利を行使しなければならない。』
問題 43 借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
1. 適切です。 『普通借地権では、借地権者と借地権設定者との契約により、存続期間を70年と定めることができる。』
2. 不適切です。 『事業用定期借地権等は、賃貸マンションや社宅等の居住用建物の所有を目的として設定すること』ができません。
3. 適切です。 『一般定期借地権において、契約の更新がないこととする旨の特約等は、公正証書による等書面で定めなければならない。』
4. 適切です。 『借地権者は、借地権の登記または当該土地上に借地権者の名義で登記された建物を所有することのいずれかがあれば、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。』
問題 44 借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法における定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
1. 不適切です。 『賃貸借の目的である建物の用途が店舗や倉庫等の事業用である場合、その建物の賃貸借について』も借地借家法は適用されます。
2. 適切です。 『普通借家契約において、一定の期間、建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合、当事者はその定めに従う。』
3. 適切です。 『建物の賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した空調設備などの造作について、借家契約終了時に賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約は有効である。』
4. 適切です。 『普通借家契約において、賃借人は建物に賃借権の登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物の所有権を取得した者に対し、建物の賃借権を対抗することができる。』
問題 45 都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『建築物の敷地は、原則として、建築基準法に定める道路に2m以上接していなければならない。』
2. 不適切です。 『防火地域内に耐火建築物を建築する場合』、建ぺい率の制限について緩和を受けることができます。容積率の緩和措置はありません。
3. 適切です。 『建築物の敷地の前面道路の幅員が12m未満である場合、建築物の容積率は、前面道路の幅員により定まる容積率と、都市計画で定められた容積率とのいずれか低い方が上限となる。』
4. 適切です。 『第一種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画において定められた限度を超えてはならない。』
問題 46 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『区分所有者は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、規約に別段の定めがない限り、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。』
2. 適切です。 『集会室や共用の応接室など区分所有権の対象となる建物部分について、規約により共用部分と定めた場合であっても、その旨の登記をしなければ第三者に対抗することができない。』
3. 適切です。 『集会において、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成により、建物を取り壊し、かつ、新たな建物を建築する旨の建替え決議をすることができる。』
4. 不適切です。 『区分所有者が管理者を選任または解任する場合は、集会の決議』のほか、規約で別段の方法を定めることができます。
問題 47 不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『住宅または土地の取得に係る不動産取得税の標準税率は、特例により3%とされている。』
2. 不適切です。 『所定の要件を満たす新築住宅を取得した場合、不動産取得税の課税標準の算定について』は、平成30年3月31日までに取得した場合の特例で最高1,200万円が課税標準から控除されます。 平成28年3月31日 までに取得した認定長期優良住宅の新築の場合は、最高1,300万円の控除です。
3. 適切です。 『相続による所有権移転登記に係る登録免許税の税率は、課税標準に対して1,000分の4である。』
4. 『適切です。 不動産に抵当権を設定する際の登録免許税の課税標準は、債権金額となる。』
問題 48 所得税における固定資産の交換の特例(以下「本特例」という)の適用要件に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『交換譲渡資産も交換取得資産もそれぞれ所有期間が1年以上でなければ、本特例の適用を受けることはできない。』
2. 不適切です。 『土地と借地権の交換の場合』、借地権は土地の種類に含まれ、本特例の適用を受けることができます。
3. 適切です。 『交換取得資産が、不動産業者が販売のために所有している土地(棚卸資産)の場合は、本特例の適用を受けることはできない。』
4. 適切です。 『交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内でなければ、本特例の適用を受けることはできない。』
問題 49 Aさんは、所有する土地に貸しビルを建設することを検討している。土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
※表は試験問題をご覧ください。
(ア)なし (イ)デベロッパー (ウ)不要
『事業受託方式』は、土地・建物の権利は所有者にありますが、資金負担が所有者にあります。
『等価交換方式』は、デベロッパーと所有者が土地と建物を等価交換します。資金負担はデベロッパーにあります。
『定期借地権方式』は、一定期間、借地人に賃貸します。所有者に資金負担はありません。
問題 50 不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『不動産投資の際に行うデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。』
2. 適切です。 『借入金併用型投資では、レバレッジ効果が働き、対象不動産の収益率が借入金の金利を上回っている場合には、投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できる。』
3. 適切です。 『IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。』
4. 不適切です。 『NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資額の現在価値の合計額が投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額を上回っている場合』、その投資は不利と判定します。