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2016年5月22日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2015年10月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題41~問題50(不動産)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 41 不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 適切です。 『借地上に借地権者名義で登記された建物を所有する借地権者は、借地権設定者が当該借地権の目的となっている土地の所有権を第三者に譲渡してその登記を移転しても、借地権を当該第三者に対抗することができる。』
2. 不適切です。 『登記の記載事項を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産に対する権利』が認められません。
3. 不適切です。 『抵当権設定登記の登記記録』は、権利部乙区に記録され、『登記事項として債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。』
4. 不適切です。 『不動産登記法の規定により登記所に備え付けるべき地図に準ずる図面』(公図)は、一般に、対象とする土地の位置関係を確認する資料として利用されています。なお、地積測量図は、『現地を測量して作成され、すべての土地の区画が明確にされている。』
問題 42 不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『不動産の鑑定評価に関する法律において、不動産鑑定士』は、『不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行うことができるとされている。』なお、『宅地建物取引士』は、『不動産の鑑定評価を行うこと』はできません。
2. 適切です。 『不動産鑑定評価基準において、最有効使用の原則とは、不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとする原則をいう。』
3. 適切です。 『不動産鑑定評価基準において、不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別される。』
4. 適切です。 『不動産鑑定評価基準において、収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものである。』
問題 43 民法および宅地建物取引業法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとし、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
1. 適切です。 『買主が、売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合は、買主の契約の履行の着手に当たるため、売主は、解約手付の倍額を償還することによる契約の解除をすることができない。』
2. 適切です。 『未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに売買契約を締結した場合、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができる。』
3. 不適切です。 『売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をする場合、その瑕疵がある事実を知った時』から1年以内にしなければならなりません。
4. 適切です。 『宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することはできない。』
問題 44 借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
1. 適切です。 『賃貸借の目的である建物の用途が店舗や倉庫等の事業用である場合であっても、その建物の賃貸借に借地借家法が適用される。』
2. 不適切です。 『賃借人が普通借家契約を更新しない旨の通知を賃貸人に行う場合には、正当の事由を必要』としません。
3. 適切です。 『定期借家契約において、建物の賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。』
4. 適切です。 『定期借家契約において、建物賃借人は、その建物について賃借権の登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。』
問題 45 都市計画法における開発行為の規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『準都市計画区域内において行う開発行為は、その規模』が3,000m2未満の場合、『都道府県知事等の許可を必要としない。』
2. 適切です。 『市街化区域内において行う開発行為で、その規模が一定面積未満である場合は、都道府県知事等の許可を必要としない。』
3. 適切です。 『市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都道府県知事等の許可を必要としない。』
4. 適切です。 『土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、都道府県知事等の許可を必要としない。』
問題 46 都市計画区域および準都市計画区域における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合、その敷地の全部について、敷地の過半の属する用途地域の建築物の用途に関する規定が適用される。』
2. 不適切です。 『建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、その建築物の全部について』、原則として、防火地域内の『建築物に関する規定が適用される。』
3. 適切です。 『建ぺい率80%の近隣商業地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の制限が適用されない。』
4. 適切です。 『住居系用途地域内の建築物で、かつ前面道路の幅員が12m未満の場合、原則として、当該道路幅員(m)に40%を乗じた数値と都市計画で定められた容積率の数値を比較していずれか小さい数値が当該建築物の容積率の上限となる。』
問題 47 不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『土地・家屋に係る固定資産税の課税標準となる価格は、原則として、3年ごとの基準年度において評価替えが行われる。』
2. 適切です。 『地方税法において、固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200m2以下の部分)の課税標準については、課税標準となるべき価格の6分の1の額とする特例が定められている。』
3. 不適切です。 『地方税法において、新築住宅を取得した場合のその家屋』に係る固定資産税については、『一定の床面積以下の部分の税額が、一定期間軽減される特例が定められている。』
4. 適切です。 『都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として、市街化区域内に所在する土地・家屋の所有者に対して課される。』
問題 48 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(以下「3,000万円特別控除」という)と居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「軽減税率の特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
1. 適切です。 『3,000万円特別控除は、居住用財産を居住の用に供さなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに譲渡しなければ適用を受けることができない。』
2. 不適切です。 『3,000万円特別控除は、譲渡した居住用財産の所有期間』について要件がありません。また、軽減税率の特例は、『譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した日の属する年の1月1日に おいて10年を超えていなければ適用を受けることができない。』
3. 不適切です。 『軽減税率の特例により、課税長期譲渡所得金額』の6,000万円以下の部分については、6,000万円を超える部分よりも『低い税率が適用される。』
4. 不適切です。 『3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、それぞれの適用要件を満たしている場合』は、『重ねて適用を受けること』ができます。
問題 49 Aさんは、所有する土地の有効活用を検討している。貸しビルを建設する際の土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
※表の内容は試験問題をご覧ください。
( ア ) 『建設協力金方式』における『有効活用後の土地の所 有名義』は、『Aさん』です。
( イ ) 『事業受託方式』における『有効活用後の貸しビル の所有名義』は、『Aさん』です。
( ウ ) 『等価交換方式』における『貸しビル建設資金のA さんの負担の要否』は、『不要』です。
3.『(ア)Aさん (イ)Aさん (ウ)不要』が適切です。
問題 50 不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。』
2. 適切です。 『NOI利回り(純利回り)は、対象不動産より得られる年間の純収益を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を図る指標である。』
3. 適切です。 『NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。』
4. 不適切です。 『借入金併用型投資では、レバレッジ効果が働き、対象不動産の収益率が借入金の金利』を上回っている場合には、『投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できる。』