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2016年1月24日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2015年10月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題31~問題40(タックスプランニング)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 31 所得税の各種所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『個人向け国債の利子を受け取ったことによる所得』は、利子所得となります。
2. 不適切です。 『会社員が勤務先から無利息で金銭を借り入れたことによる経済的利益』は、給与所得となります。
3. 不適切です。 『老齢厚生年金を受給したことによる所得』は、雑所得となります。
4. 適切です。 『専業主婦が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。』
問題 32 所得税における不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入される金額として、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『建物の貸付けにより受け取る権利金(返還を要しないもの)』
2. 適切です。 『建物の貸付けにより受け取る賃貸料』
3. 不適切です。 『建物の賃貸借契約を仲介する際に受け取る仲介手数料』は、事業所得です。
4. 適切です。 『建物の賃貸借契約を更新する際に貸主が受け取る更新料』
問題 33 Aさんの平成27年分の各種所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
※『Aさんの平成27年分の各種所得の金額』は試験問題をご覧ください。
2. 総所得金額 = 給与所得 690万円 ー 不動産所得(損失) 50万円 = 『640万円』
雑所得の損失は他の所得と損益通算できません。
退職所得は他の所得と合算しない分離課税です。
問題 34 所得税における譲渡損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『生活用動産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額』は、『総合課税の対象となる譲渡所得の金額』であっても、例外として通算することができないものがあります。
2. 適切です。 『ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。』
3. 不適切です。 『上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額』は、損益通算することができません。なお、上場株式の譲渡損失は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算できます。
4. 不適切です。 『居住用財産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額』は、『その損失が生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けること』ができません。なお、所定の要件を満たせば、翌年以降3年間にわたって控除できます。
問題 35 Aさんの平成27年12月31日現在における扶養親族およびその平成27年分の収入状況が下記のとおりであった場合、Aさんの平成27年分の所得税における扶養控除の控除額として、最も適切なものはどれか。
※『Aさんの平成27年12月31日現在における扶養親族およびその平成27年分の収入状況』は試験問題をご覧ください。
2. 扶養控除の控除額 = 長女(21歳の大学生) 63万円 + 長男(17歳の高校生) 38万円 = 『101万円』
長女(21歳の大学生)は、特定扶養控除(19歳以上23歳未満)です。給与収入金額60万円から給与所得控除65万円を差し引くと、所得金額は38万円以下となりますので、控除の要件を満たしています。
長男(17歳の高校生)は、一般の扶養控除(16歳以上)です。
二男(14歳の中学生)は、控除がありません。
問題 36 所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『住宅ローン控除の対象となる家屋について』は、床面積が50m2以上であり、『その2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるもの』でなければななりません。
2. 適切です。 『住宅ローン控除の対象となる住宅借入金等については、契約においてその償還期間または賦払期間が10年以上でなければならない。』
3. 適切です。 『給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、年末調整の対象となる給与所得者であっても、最初の年分については確定申告をしなければならない。』
4. 適切です。 『住宅ローン控除の適用を受けようとする者のその年分の合計所得金額は、3,000万円以下でなければならない。』
問題 37 次のうち、所得税額の計算上、青色申告者に限り適用が受けられるものはどれか。
1. 不適切です。 『寄附金控除』は青色申告に限られていません。
2. 不適切です。 『配当控除』は青色申告に限られていません。
3. 不適切です。 『雑損失の繰越控除』は青色申告に限られていません。
4. 適切です。 『純損失の繰戻し還付』
問題 38 法人税における役員給与および役員退職給与の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『法人税における役員給与は、登記簿上の役員として登記された者に支給される給与』のほか、実質的に経営に従事していると認められる人や、一定の要件を満たしている同族会社の『使用人(従業員)に対する給与が役員給与とされること』があります。
2. 不適切です。 『役員に対して支給する給与のうち、決算期末などに支給される役員賞与は、損金の額に算入すること』が原則できませんが、役員賞与が「事前確定届出給与」の場合、損金算入できます。
3. 適切です。 『役員に対して支給する給与のうち、利益に関する指標を基礎として算定される利益連動給与は、同族会社では、損金の額に算入することはできない。』
4. 不適切です。 『退職した役員に対して支給する退職給与を損金の額に算入するため』に、『あらかじめ税務署長に対して支給時期および支給額を届け出なければならない』ということはありません。役員退職給与は、適正な額であれば、届出は不要で損金の額に算入できます。
問題 39 消費税の課税事業者である法人が国内で行った次の取引のうち、消費税の非課税取引とされるものはどれか。
1. 適切です。 『更地である土地の譲渡』
2. 不適切です。 『社宅に供されていた建物の譲渡』は非課税取引ではありません。
3. 不適切です。 『非居住用建物の賃貸』は非課税取引ではありません。(なお、「住宅の貸付け」は非課税取引です。)
4. 不適切です。 『土地の譲渡に係る仲介』は非課税取引ではありません。(なお、「土地の譲渡及び貸付け」は非課税取引です。)
問題 40 会社と役員間の取引に係る所得税または法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。』
2. 不適切です。 役員が所有する建物を会社に譲渡した場合において、その譲渡対価が適正な時価に満たないときには、役員は必ず時価により譲渡したものとみなされ譲渡所得の計算を行う。
3. 適切です。 『会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合、所定の方法により計算した賃貸料に相当する金額が役員の給与所得の収入金額に算入される。』
4. 適切です。 『役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、役員について、原則として課税されない。』