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現在価値を計算するための第一ステップ。将来価値と現在価値の計算からみてみます。
ファイナンスにおける基本原則のひとつに、『今日の 1 円は明日の 1 円より価値がある』という考え方があります。今日の 1 円は投資することによって金利を稼ぎ始めるからといわれています。このことは、貨幣の時間価値ともいわれています。
現在価値(PV:present value)は、将来価値(future value)と割引ファクター(discount factor)から計算します。たとえば、100 万円を年金利 1 %で預金すると、1 年後には、100 万円 × 1.01 = 101 万円 となります。これが将来価値になります。現在価値の計算は、この将来価値の計算を逆に行います。1 年後の 101 万円の現在価値は、
101万円 | × | 1 | = | 100万円 |
1.01 |
となります。1 年後の将来価値 101 万円に乗じている 1/1.01 が割引ファクターになります。
割引ファクター | = | 1 |
1 + 収益率 |
収益率としたところは、割引率(discount rate)、ハードルレート(hurdle rate)などのようにも表されます。また、この式では通常、単年での計算となります。
現在価値(PV)= 割引ファクター × 将来価値という式が、現在価値を計算する第一ステップとなります。
ちなみに、年利 1 %として、1 年後の 1 円の現在価値を計算すると、およそ 0.99 円となります。
この Web ページでは、現在価値の初歩となる計算のみを取り上げました。
この次のステップとしては、純現在価値(NPV:net present value)、複数年後の資産の現在価値の計算、DCF(discounted cash flow:割引キャッシュフロー)法を順に取り上げてみたいと思います。