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2016年5月22日に実施されました2級FP技能士試験の学科試験問題の解答速報からポイントとなる事項を学習します。ここから、さらに詳細な内容であったり、関連する事項などについて、学習のきっかけとなればと考えます。
なお、試験問題の全文と模範解答は、 一般社団法人 金融財政事情研究会 の http://www.kinzai.or.jp/
また、試験問題と解答については,特に指示がない限り、2015年10月1日現在施行の法令等に基づいています。
問題51~問題60(相続・事業承継)について、模範解答と照合の上、公開しています。
問題 51 親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『親族とは、6親等内の血族、配偶者』および3親等内の『姻族をいう。』
2. 適切です。 『特別養子縁組が成立した場合、原則として養子と実方の父母との親族関係は終了する。』
3. 適切です。 『協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。』
4. 適切です。 『未成年者が婚姻をするには、父母の一方が同意しない場合、他の一方の同意だけで足りる。』
問題 52 贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『契約者(=保険料負担者)が母、被保険者が父、保険金受取人が子である生命保険契約において、父の死亡による死亡保険金を子が受け取った場合には、母から子へ死亡保険金の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。』
2. 不適切です。 『父の所有する土地を子が無償で借り、その土地の上に建物を建築した場合』は、『贈与税の課税対象』となりません。
3. 適切です。 『父の名義である土地を対価の授受を行わずに子の名義に変更した場合には、原則として、父から子へ土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。』
4. 適切です。 『贈与税の課税を免れるために、離婚を手段として財産分与により財産を取得したと認められる場合には、その取得した財産は贈与税の課税対象となる。』
問題 53 贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『贈与税の申告書の提出先』は、受贈者の『納税地の所轄税務署長である。』
2. 不適切です。 『贈与税の申告書の提出期間は、原則として、贈与を受けた年の翌年』の2月1日から3月15日までです。
3. 適切です。 『贈与税の期限内申告書に係る贈与税の納期限は、その期限内申告書の提出期限と同じである。』
4. 不適切です。 『贈与税の納付について認められる延納期間』は、最長で5年です。
問題 54 遺産分割協議に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『遺産分割協議書』は、法律で定められているものではありません。よって期限もありません。
2. 不適切です。 『遺産分割協議書は、共同相続人全員の署名、実印による捺印および印鑑証明書の添付がない場合には、原則として無効となる』とはいえません。
3. 適切です。 『遺産分割協議書は、あらかじめ1人の相続人が遺産分割協議書の草案を用意して、他の共同相続人全員が順次これに署名・捺印する持回り方式により作成することも認められている。』
4. 不適切です。 『すでに成立している遺産分割協議においては、共同相続人全員の合意』があれば、『当該遺産分割協議の全部または一部を解除すること』がてきます。
問題 55 相続財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『相続または遺贈によって取得した財産のうち、被相続人に帰属する一身専属権は、相続税の課税財産とならない。』
2. 適切です。 『被相続人に対して支給されるべきであった退職金を相続人が受け取った場合、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税財産となる。』
3. 適切です。 『被相続人からの贈与で贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続が開始する前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はない。』
4. 不適切です。 『相続時精算課税制度の適用を受けて取得した贈与財産』は、贈与時の価格が加算されます。
問題 56 下記<親族関係図>において、平成27年中にAさんに相続が開始した場合の相続税の計算における「遺産に係る基礎控除額」として、最も適切なものはどれか。なお、Dさんは相続の放棄をしている。
※<親族関係図>は試験問題をご覧ください。
基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数4人で計算します。
基礎控除額の計算において、法定相続人の数には、実子Dさんの相続の放棄がなかったものとして数えます。また、養子の数には、被相続人に実子がいる場合1人まで、実子がいない場合2人までとなります。
2. 『54,000千円』が適切です。
問題 57 下記の宅地における路線価方式による自用地価額として、最も適切なものはどれか。なお、奥行価格補正および側方路線影響加算以外の補正は考慮しないものとする。
※宅地の内容は試験問題をご覧ください。
路線価 250千円 × 16m奥行価格補正率 1.00 = 250千円
路線価 200千円 × 25m奥行価格補正率 0.99 = 198千円
((正面路線価 250千円 × 16m奥行価格補正率 1.00) + (側方路線価 200千円 × 25m奥行価格補正率 0.99 × 側方路線影響加算率 0.03)) × 地積 400m2 = 『102,376千円』
4. 『(250千円×1.00+200千円×0.99×0.03)×400m2=102,376千円』が適切です。
問題 58 財産評価基本通達における宅地および農地の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『宅地の価額は、利用の単位となっている一画地ごと』で評価します。『登記上の一筆ごとの単位』は評価に関係しません。
2. 適切です。 『倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって宅地の価額を評価する方式をいう。』
3. 適切です。 『農地の価額は、農地を純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地に区分して評価する。』
4. 適切です。 『市街地周辺農地の価額は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の100分の80に相当する金額によって評価する。』
問題 59 相続税の納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 不適切です。 『相続税の延納を申請するに当たって、担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産』に限られません。
2. 適切です。 『相続税の納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があり、納付すべき相続税額が10万円を超える場合、原則として担保を提供し、所定の手続きにより、相続税の延納を申請することができる。』
3. 適切です。 『相続税を物納する場合における物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額となる。』
4. 適切です。 『相続により取得した財産のうちに抵当権が設定されている不動産があった場合、その不動産を相続税の物納に充てることはできない。』
問題 60 贈与税の非課税制度等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 適切です。 『「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」と相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば、併用適用することができる。』
2. 適切です。 『「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合 の贈与税の非課税」の対象となる中古の家屋は、その家屋が耐火建築物である場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであることとされている。』
3. 適切です。 『「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」において、学校等以外に直接支払われる教育資金の適用対象となるものには、学習塾・水泳教室などに支払われる金銭や、通学定期券代なども含まれる。』
4. 不適切です。 『「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」では、所定の要件を満たした場合、受贈者1人につき』1,000万円まで(結婚関係で支払われるものは300万円まで)の『金額に相当する部分の価額について贈与税が非課税となる。』