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『ファイナンシャル・プランニング』に関するスキルが重点テーマです。また、投資に関連して、『コーポレート・ファイナンス』や『会計』などについてもみていきます。

FP[4]タックスプランニングの最近のブログ記事

平成21年度税制改正の項目のひとつに、「生命保険料控除の改組」があります。 生命保険料控除について、介護医療保険料控除を創設。さらに、一般の生命保険料控除および個人年金保険料控除の限度額が見直されました。 一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除、それぞれの控除額は以下のようになります。

(1)所得税

支払保険料等の金額 控除額
20,000 円以下 支払保険料等の全額
20,000 円超 40,000 円以下 支払保険料等× 1 / 2 + 10,000 円
40,000 円超 80,000 円以下 支払保険料等× 1 / 4 + 20,000 円
80,000 円超 一律 40,000 円

各保険料控除の控除額の適用限度額は 40,000 円となります。 この新制度は、平成 24 年分以後の所得税に適用されます。 また、この新制度は、新制度の施行日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度が適用されます。新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときには、合計適用限度額は 120,000 円となります。

(2)個人住民税

支払保険料等の金額 控除額
12,000 円以下 支払保険料等の全額
12,000 円超 32,000 円以下 支払保険料等× 1 / 2 + 6,000 円
32,000 円超 56,000 円以下 支払保険料等× 1 / 4 + 14,000 円
56,000 円超 一律 28,000 円

各保険料控除の控除額の適用限度額は 28,000 円となります。また、合計適用限度額は 70,000 円となります。 新制度は、平成25年度分以後の個人住民税に適用されます。 新制度については、平成 24 年 1 月 1 日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度が適用されます。新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときには、合計適用限度額は 70,000 円となります。

退職所得の金額

退職所得とは、退職手当、一時恩給、その他退職により一時に受ける給与およびこれらの性質を有する給与(退職手当等という)に係る所得をいいます。

ファイナンシャル・プランニング技能検定試験では、出題されることも多い事項です。

勤めていた会社から受け取る退職金のほかに、厚生年金基金から受ける一時金で、加入者の退職に基因して支払われるものや、確定給付企業年金法に基づいて支給される退職一時金(自己負担分を除く)なども、退職手当等に含まれます。

退職所得の金額の計算は、次のようになります。

退職所得の金額 = (収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2

2分の1することがポイントとなります。

退職所得控除額は、次のような計算となります。

勤続年数が 20年以下の場合、40万円 × 勤続年数(最低 80万円)

勤続年数が 20年超の場合、800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)

勤続年数は、就職した日から退職した日まで、実際に勤務していた期間です。 1年未満の端数がある場合は、これを1年とします。たとえば、実際の勤続年数が 30年 3ヶ月のときは、勤続年数 31年で計算します。

譲渡所得の概要

譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいいます。譲渡所得の概要について確認してみます。

譲渡所得は、分離課税されるものと総合課税されるものに分けられます。土地等・建物等、株式等の譲渡には分離課税、それ以外の資産の譲渡には総合課税となります。

なお、株式等の譲渡は申告分離課税で、他の所得とは分離して「株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分して課税となります。

土地等・建物等の譲渡の場合(分離課税)

譲渡した年の 1月1日時点で、譲渡した資産の所有期間が 5年以下の場合を短期譲渡所得5年超の場合を長期譲渡所得となります。また、それぞれの譲渡損益は、分離短期分離長期とあらわされます。

譲渡損益 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)

譲渡損益は、分離短期、分離長期それぞれで計算します。

また、分離短期と分離長期が、譲渡益と譲渡損となったときは、内部通算(赤字と黒字を相殺)します。

土地等・建物等以外の譲渡の場合(総合課税)

譲渡した日で、譲渡した資産の所有期間が 、5年以下の場合の譲渡損益は総合短期5年超の場合の譲渡損益は総合長期とあらわされます。

総合短期、総合長期の譲渡損益もそれぞれ次の計算をします。

譲渡損益 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)

また、総合短期と総合長期が、譲渡益と譲渡損となったときは、内部通算(赤字と黒字を相殺)します。

そして、最高50万円までの特別控除額を、総合短期、総合長期の順番で控除します。

特別控除後、総合短期の金額と、総合長期の金額の2分の1が総所得金額に算入され、総合課税されます。

概算取得費

取得費は、原則として、取得に要した金額(購入代金や仲介手数料など)等の合計額から、建物等の減価の額(または減価償却累計額)などを差し引いた金額となります。

土地・建物を取得した場合は、その領収書類を保管している方は多いと思いますが、実際の取得費が不明な場合などには、取得費に概算取得費を適用することができます。

概算取得費 = 譲渡による収入金額 × 5%

概算取得費は、譲渡所得の基因となる資産の譲渡の場合のすべてに適用があります。

一時所得の金額

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外の所得のうち営利を目的をする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務または資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいいます。

一時所得の例をいくつか確認してみます。

・懸賞の懸賞金や、福引の当せん金。

・競馬の払戻金。

・生命保険契約等に基づく一時金、満期返戻金。

・損害保険契約等に基づく満期返戻金。

・遺失物取得者または埋蔵物発見者が受ける報労金。

上記のものであっても、業務に関して受けるものであるときは、一時所得から除かれます。(その場合は、事業所得など他の所得に分類されます。)

なお、宝くじの当せん金は、というと、非課税となっています。

一時所得の金額の計算方法は、次のようになります。

一時所得 = 総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

なお、一時所得の金額の課税は、上記の計算で得られた、一時所得の金額の2分の1が、総所得金額に算入され、総合課税されます。

一時所得に関連して、FP試験対策として少なくともこれだけはおさえておきたいと思われる事項をあげてみます。

・特別控除があり、その額は最高50万円であること。

ちなみに、山林所得も最高50万円の特別控除が適用されています。

・一時所得の金額の2分の1が、課税の対象となること。

ちなみに、退職所得の金額は、2分の1したあとの金額が退職所得の金額となります。一時所得の金額としては、2分の1する前の金額であることがポイントとなります。

雑所得の金額

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得をいいます。つまり、雑所得を理解するには、雑所得以外の9種の所得について理解することが必要となるのですが、雑所得の代表例がいくつかありますので、確認してみることにします。

・公的年金等の年金(国民年金、厚生年金、適格退職年金契約に基づいて支給を受ける年金など)。

・公的年金等以外の年金(生命保険契約・共済契約の個人年金)。

・割引債の償還差益。 ※ただし、特定の割引債の償還差益については税率18%の源泉分離課税で課税関係が終了します(住民税は非課税)。「割引債」は、額面より割り引いた金額で発行され、満期日に額面金額で償還される債券です。

・外貨預金の為替差益。

雑所得の金額の計算方法は、次の (1)の金額 + (2)の金額 となります。

(1)公的年金等については、収入金額 - 公的年金等控除額

(2)公的年金等以外は、総収入金額 - 必要経費

雑所得の金額への課税は、他の所得と総合した総所得金額から、総合課税されます。

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 (2011.08.28 21:00)