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『ファイナンシャル・プランニング』に関するスキルが重点テーマです。また、投資に関連して、『コーポレート・ファイナンス』や『会計』などについてもみていきます。

FP[2]リスク管理の最近のブログ記事

リスクの分離と結合

リスクの分離と結合は、それぞれ、リスク・コントロールという手法のうちのひとつです。

ちなみに、リスク・コントロールという手法のなかには、そのほかに、リスク回避リスク制御リスク移転、があります。

また、リスクの処理技術には、リスク・コントロールのほかに、リスク・ファイナンシングという手法があります。

さて、リスク分離は、たとえば、分散投資においてポートフォリオを組む、というようなことがあげられます。そのほか、企業において工場を各地に分散させることによって地震などによる経済的損失の影響を減少させることなども、よく例としてあげられます。

また、リスク結合は、運送会社が保有する自動車を増やすことにより、リスクの不確実性が低減でき、ある程度の損害額が予測できることが例としてあげられます。また、保険会社は同様のリスクを持つ契約数を増やすことによって、不確実な事象も確実なものとしてとらえることができます。大数の法則と関連するともいえそうです。

分離と結合は、それぞれの言葉のイメージからは相反するものとなります。リスク・コントロールという手法からみると、リスク分離は、リスクの単位を細分化し独立させるのに対して、リスク結合は、不確実な同じリスクの数を増やしていくことになります。

リスク・ファイナンシング

リスクの処理技術には、リスク・ファイナンシングと、リスク・コントロールとに大きく分類されます。


そして、リスク・ファイナンシングは、保有移転(転嫁)の大きく2つに分けられます。


保有は、リスクの経済的影響を自ら負担する手法で、移転(転嫁)は、リスクの経済的影響を他者に移転する手法です。

保有は、たとえば、入院に備えて自身で預貯金することや、借入をすることにあたります。また、移転(転嫁)は、保険によって保険会社にリスクを移転(転嫁)することがあげられます。


考えてみると、保険に入っていない場合は、暗黙のうちに保有という手法を選択していることになりそうです。また、保険契約で対象となっていない事項(リスク)についても、同じことになりそうです。

保有移転(転嫁)のバランスは、人それぞれだと思われます。 また、どちらを考えるにしても、どの程度予防が可能かということも影響すると思います。

人は、生活環境や年齢などによっても、伴うリスクが変化することもあると、よくいわれます。そのように変化する状況と、あらためて保有移転(転嫁)を意識して考えてみたとき、保険に対する考え方の変化、そして保険の内容の見直しがともなっていくものと思います
 

純粋リスクと投機的リスク

リスクの分類には、純粋リスク投機的リスクとに分ける考え方があります。

純粋リスクは、損失のみを生じるリスクで、投機的リスクは、損失あるいは利益が生じる可能性のあるリスクです。

純粋リスクについては、災害や事故など、投機的リスクについては、政治的経済的な変動などがあげられます。

保険が対象とするのは、純粋リスクであって、発生の確率が統計的・経験的に把握され(測定可能なリスク)、経済的価値の損失(経済的リスク)についてであるといわれます。

また、発生の確率は低いが経済的価値の損失が大きいリスクに対して、保険の活用が有効であるといわれています。 

生命保険の3つの基本型

生命保険は、どのような場合に保険金が支払われるかによって、死亡保険、生存保険、生死混合保険の3つに分類されます。

そして、これらを組み合わせたり、特約を付加することによって多様な保険商品が生み出されています。


死亡保険

被保険者が死亡または高度障害になった場合のみ保険金が支払われる保険をいいます。

終身保険や定期保険が該当します。


生存保険

被保険者が将来のある時点まで生存していた場合のみ保険金が支払われる保険をいいます。

こども保険や個人年金保険が該当します。


生死混合保険

死亡保険と生存保険を組み合わせた保険です。被保険者が保険期間内に死亡または高度障害になった場合には、死亡保険金または高度障害保険金が支払われ、将来のある時点まで生存していた場合に生存保険金が支払われます。なお、保険期間満了時に支払われる生存保険金は、満期保険金といいます。

養老保険が該当します。

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 (2011.08.28 21:00)