リスクの分離と結合は、それぞれ、リスク・コントロールという手法のうちのひとつです。
ちなみに、リスク・コントロールという手法のなかには、そのほかに、リスク回避、リスク制御、リスク移転、があります。
また、リスクの処理技術には、リスク・コントロールのほかに、リスク・ファイナンシングという手法があります。
さて、リスク分離は、たとえば、分散投資においてポートフォリオを組む、というようなことがあげられます。そのほか、企業において工場を各地に分散させることによって地震などによる経済的損失の影響を減少させることなども、よく例としてあげられます。
また、リスク結合は、運送会社が保有する自動車を増やすことにより、リスクの不確実性が低減でき、ある程度の損害額が予測できることが例としてあげられます。また、保険会社は同様のリスクを持つ契約数を増やすことによって、不確実な事象も確実なものとしてとらえることができます。大数の法則と関連するともいえそうです。
分離と結合は、それぞれの言葉のイメージからは相反するものとなります。リスク・コントロールという手法からみると、リスク分離は、リスクの単位を細分化し独立させるのに対して、リスク結合は、不確実な同じリスクの数を増やしていくことになります。