不正競争防止法では、「営業秘密に係る不正行為」も不正競争のひとつとしています。
不正競争防止法における「営業秘密」の定義は、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」とされています。
この定義から、つぎのような「営業秘密」の3要件がよくあげられます。
・秘密管理性:秘密として管理されていること。
・有用性:事業活動に有用であること。
・非公然性:公然と知られていないこと。
そして、この「営業秘密」について、不正取得、または、不正取得後の使用・開示など、一定の類型に属する行為について、「不正競争」であるとしています。
まずは、平成18年度情報処理技術者試験のシステム監査技術者試験の午前試験問39です。なお、試験問題の全文については、情報処理技術者試験センターのWebサイト http://www.jitec.jp/ にて公開されています。
問39 不正競争防止法で保護されるものはどれか。
ア 特許権を取得した発明
イ 頒布されている独自のシステム開発手順書
ウ 秘密として管理している事業活動用の非公開の顧客名簿
エ 秘密としての管理を行っていない、自社システムを開発するために重要な設計書
答えは、ウ。
さて、不正競争防止法では、営業秘密の侵害に対して、民事上、(1)差止請求、(2)損害賠償請求、(3)信用回復措置の請求、が認められています。さらに、刑事罰も規定されています。
平成17年度情報処理技術者試験のAN・PM・AE午前試験問53です。
問53 トレードシークレット(営業秘密)に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア 特許は技術情報を公開した上で保護されるが、トレードシークレットは秘密として管理されていることを条件として保護される。
イ トレードシークレットとは、企業秘密として管理されている専門技術情報を指し、販売マニュアル、取引先リストなどは含まれない。
ウ トレードシークレットは、産業財産権の一つに分類される権利であり、特許権、実用新案権と並ぶものである。
エ 不正競争防止法では、トレードシークレットに関する不正な行為に対して、”差止請求権”を認めているが、”損害賠償請求権”は認めていない。
答えは、ア。