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選挙制度の基本

選挙の基本原理

まずは、選挙の基本原理のおさらいです。

普通選挙:選挙権は性別・財産・納税・学歴などで制限しない。(普通選挙に対して、制限選挙。)

平等選挙:選挙権は平等の価値をもつ。(平等選挙に対して、不平等選挙。)

自由選挙:選挙権を自由に行使できる。(自由投票に対して、強制投票。)

秘密選挙:投票内容を秘密にする。(秘密投票に対して、公開投票。)

直接選挙:選挙人が直接選挙する。(直接選挙に対して、間接選挙。)

参議院議員選挙の特色

参議院議員選挙については、全都道府県の区域を通じて行われる比例代表選挙と各都道府県を単位とする選挙区選の二本立ての制度が採られています。

比例代表選挙については、2000年の公職選挙法改正により非拘束名簿式が導入されています。これは、各政党が候補者に順位付けをしないで名簿を提出し、政党名・候補者名をあわせた総得票数に従って政党に議席が配分された上で、候補者名投票の得票数の多いものから順に当選者を決める方式です。

ちなみに、衆議院議員選挙では、小選挙区比例代表並立制という方式がとられています。

選挙区制

選挙区制には、大別して小選挙区制大選挙区制があります。

小選挙区制は、1選挙区から1人の議員を選出します。(多数代表制)2大政党化を促し、政局が安定するというような長所があるといわれています。また、死票の確率が高くなるという短所があるといわれています。

大選挙区制は、1選挙区から2人以上の議員を選出します。(少数代表制)死票が少なくなる、少数派も議員を選出する可能性があるというような長所があるといわれています。また、同一政党からの複数候補が共倒れとなる場合があるという短所があるといわれています。

投票方式

投票方式には、大別して単記投票法連記投票法があります。

単記投票法は、選挙区の議員定数にかかわらず、投票用紙に1人の候補者を記入して投票する方式です。

連記投票法は、1選挙区から2人以上の議員を選出する大選挙区制において、投票用紙に2人以上の候補者を記入して投票する方式です。更に、連記投票法は、選挙区の議員定数と同数の候補者を記入する「完全連記投票制」と、選挙区の議員定数より少ない候補者を記入する「制限連記投票制」とがあります。

小選挙区制では、単記投票法となります。そして、多数代表制の特徴をもちます。

大選挙区制では、完全連記投票制の場合は多数代表制の特徴をもちますが、制限連記投票制の場合は少数代表制の特徴をもつといわれています。

なお、参議院議員選挙の各都道府県を単位とする選挙区選は、大選挙区制での単記投票法となっており、少数代表制の特徴をもつといわれています。

比例代表制

多数・少数各派勢力に対して、得票数に比例した議席を配分する選挙方式です。投票方式として、単記移譲式(単記による投票で、当選に必要十分な得票数を超える票を、選挙人の指定する順位に従って、他の候補者に順次移譲させる方式)、拘束名簿式(選挙人が、政党の作成した候補者名簿すなわち政党に対して投票を行い、各名簿の得票数に応じて、あらかじめ名簿に登録された順位に従って当選者を決定する方法)、非拘束名簿式(選挙人が、政党の作成した候補者名簿上の候補者を指定して投票し、まず、名簿ごとに得票数を集計して当選者数を決定し、各名簿の中で個人得票数が多数の者から順番に当選者を決定する方法)があります。

参議院議員選挙の比例代表選挙は、非拘束名簿式で、投票用紙には候補者または政党名を記入する方式となっています。

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 (2011.08.28 21:00)