まだ、イーサネットおよび TCP/IP が、ごく一部のわずかな環境でのみ利用されていた頃、その頃のネットワークの解説書には、ネットワーク技術の歴史に関する解説なども含めて、ネットワークアーキテクチャということばがよく使われていたような気がします。
ネットワークアーキテクチャということばが使われた経緯については、ITPro Dictionary でのネットワークアーキテクチャの解説ページ(http://itpro.nikkeibp.co.jp/word/page/10001239/)をたまたま読んで、わたしがわずかに記憶していた、SNA を中心とした歴史がちょっとだけ思い出されました。といっても、特に残っていた記憶や現在の認識と一致していたのは、
「米 IBM が標準通信方式として SNA(Systems Network Architecture)を発表して以来,大手コンピュータ・メーカーが相次いで独自のネットワーク・アーキテクチャを発表したが、最近では TCP/IP の採用が目立っている。」
といったようなことです。
まれに、TCP/IP アーキテクチャということばが使われている文章をみかけることがありましたが、わたしの感覚では、一般的には使われてはいないものと感じます。ネットワーク技術の標準として、TCP/IP が定着しているからなのかもしれません。なんとなく、アーキテクチャということばからは、考案というか着想というか、そして、競合のありうるような状態において使われる場面が多いようにも感じられます。
ちなみに、最近では、次世代ネットワーク NGN の解説で、「NGN のネットワークアーキテクチャ」と使われているのを見ることもあります。
さて、一般にアーキテクチャの解説にあたっては、技術要素の階層図が用いられたり、機能要素間の接続関係を図であらわしたものが使われたりすることが多いと思います。これにより、重要機能とそれを実現する主要な技術要素、そしてそれらの関係を明らかとなります。
さらに、ネットワークアーキテクチャにおいては、プロトコル体系も重要である点が特徴といえそうです。
最近のコンピュータ関連技術、あるいは IT 技術は、ネットワーク技術抜きでは考えられないともいえそうです。ネットワークアーキテクチャは、他の上位アーキテクチャの構成要素として登場する場面も多いようです。