はじめは、平成18年度秋期情報処理技術者試験AN・PM・AE共通午前試験問題からです。なお、試験問題の全文は、情報処理技術者試験センターの Web サイト http://www.jitec.jp/ にて公開されています。
問4 NASを利用すると達成できるものはどれか。
ア サーバごとに専用の磁気ディスクを接続しているシステムで、各磁気ディスクに発生している空き領域をシステム全体で有効に利用する。
イ 磁気ディスクに障害が発生しても、自動的に予備の磁気ディスクを起動してパリティ情報からデータを復元し、処理を継続する。
ウ 磁気ディスクのファイル領域の断片化によるヘッドの移動量の増大から、読み書きの速度低下や、故障を誘発しやすくなっているので、断片化を解消する。
エ データベースをアクセスするのに、習得に時間がかかるSQLを使わず、身近な表計算ソフトを操作する感覚でアクセスする。
正解は、ア。
NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークに直接接続するタイプのストレージデバイスです。RAID 構成ハードディスク、ネットワークインターフェイス、OS、管理用ユーティリティなどを一体化した単機能サーバです。
なお、選択肢アで、「サーバごとに専用の磁気ディスクを接続しているシステム」と説明がありますが、この「サーバ」について、汎用的なサーバを思い浮かべてしまうと、単に一般的なファイル共有システムのようなことの説明と思ってしまって、NAS でなくても、と思ってしまいそうです。ただ、「サーバ」について、ストレージ専用サーバのようなものを思い浮かべることができたならば、正解に結びつけられそうそうです。
つぎに、平成19年度春期情報処理技術者試験テクニカルエンジニア(データベース)午前試験問題からです。
問7 複数のサーバに個別の外部記憶装置を接続する代わりに、ファイバチャネルを用いた SAN 装置を導入することの利点はどれか。
ア 安価な記憶装置を用いて容易かつ安価に大容量の外部記憶が実現できる。
イ サーバ間で負荷分散を実現でき、処理要求の増減に柔軟に対応できる。
ウ サーバや LAN を介さずに、データのバックアップが可能である。
エ ファイル共有が柔軟に行えるので、異機種サーバでのデータ交換が容易になる。
正解は、ウ。
SAN(Storage Area Network)は、外部記憶装置間、および、記憶装置とサーバとを接続する高速ネットワークのことです。
NAS は、LAN など多用途・多目的なネットワークにストレージを接続することになるのに対して、SAN は、ストレージ専用のネットワークを構成することになります。
※ストレージ:記憶装置