最初に、ルーティングプロトコルの分類について復習してみます。
タイプ | ルーティングプロトコル名 | 策定団体・企業 |
IGP | RIP | IETF |
OSPF | IETF | |
IGRP | Cisco Systems | |
EIGRP | Cisco Systems | |
IS-IS | ISO | |
EGP | EGP | IETF |
BGP | IETF |
IGP(Interior Gateway Protocol)は、AS(Autonomous System:自律システム)の内部で使用されるルーティングプロトコルです。自律システムとは、サービスプロバイダのように1つの組織などで管理されているネットワークシステム(ネットワークの集合体)のことです。
EGP(Exterior Gateway Protocol)は、AS間で経路情報を交換するために使用されるルーティングプロトコルです。EGPは、BGPに取って代わられるようになり、現在ではほとんど使用されていません。
次に、IGP について、アルゴリズムによる分類をみてみます。
ルーティングプロトコル名 | アルゴリズム |
RIP | ディスタンスベクタ型 |
IGRP | |
OSPF | リンクステート型 |
IS-IS | |
EIGRP | ハイブリッド型 |
ディスタンスベクタ(Distance-Vector:距離ベクトル)型のルーティングプロトコルは、メトリック(Metric)で経路を判定する方式です。メトリックは、経路選択に使用する判断基準という事になります。
RIP では、ホップカウント(ホップ数、目的のネットワークまでに経由するルータの数)をメトリックとしています。なお、最大ホップ数が15に制限されており、16以上は到達不能と判断します。
IGRP では、複数のメトリックを使用します(複合メトリック:Composite Metric)。複合メトリックの構成要素は、帯域幅・遅延・信頼性・負荷・MTU の5つです。なお、デフォルトでは帯域幅と遅延の2つを使用しています。